クライアントの「原稿すぐ送ります!」は信じて良いのか?
「原稿……。いま、いま送るところなので少々お待ちください!!」
クライアントさんなり、代理店の営業さんなりがかなりの頻度で言ってくるお言葉。
デザイナー側には毎度毎度
「まだ上がりませんか?」
「見られるところ少しでもあればください!」
「はやく!クライアント待たせちゃうから早く!!」
とか言いまくってくるのにね。
フリーランスにとって、この時間けっこうもったいない。
でも、向こうは「今送ります!」って言ってきているので、どこかに出掛けるのも他の打ち合わせを先に回すのも動きにくい。
今回もそうでした。
今まさに「送ります!」と言われてから、待つこと実に6時間。
そして、さらに継続中なので、下手すると2〜3日来ません。
そば屋の出前の「今出ました!」の方がず〜っとマシなんですよね。
これも、広告業界あるあるなのかな?
だからわたしはカレーを作る(マッサマン)
待ち時間、それはとても勿体ない。
6時間ただ待っていたわけじゃないよ?
途中何度も状況確認はしているのです。
そもそも後行程を考えると、実はもう時間切れ。
この後無事に原稿が届いたとしても、その段階でスケジュールの組み直しをクライアントに言いつけなければ……。
つまり「お宅の商品、発売日変更しようね」って話しを。
それはそれとして、勿体ない待ち時間。
わたしはカレーを作ることにした。
なんだろう。
煮込みたくなった。何でも良いから。
そして、わたしのような野郎がひとりで、このやるせなさをぶつけながら煮込むには、そこには必ず必要になる物がある。
そう、スパイスだ。
だからわたしは、この待ち時間でカレーを作ることにした。
野郎カレーってのは、こういう物だ!
そして部屋に立ちこめるのは、通称「世界一美味しいカレー」。
タイ北部の名物、マッサマンカレーをグツグツと煮込む匂い。
ココナッツミルクと、タイっぽいスパイスの混じり合った素敵フレーバーだ。
具材はなんでもいい!!
もう考えるのも面倒なので、普通に日本のカレーみたいに、ジャガイモ!にんじん!タマネギ!
オールスターだ。カレーの具材オールスターである。
ふと気付く。
「そういえば、確か豆入ってたな。以前食べたのには」
ミックスビーンズの出番だ。
何の豆が入っていたのか、ググればすぐわかる。
だがこちとら、野郎カレーだ。
どの豆か分からないならば、MIXされた物をいれる!
何か当たりがあるだろう。
肉はチキンだ!
何となくだけど、タイと言えば鶏肉のような気がする。
あとは黙々と煮込む。
待ち時間のつらさをぶつけるように、待ち時間の分だけ煮込んでやろうと思った。
「煮込めば煮込むほど美味くなるからな!」つって。
カレーが出来ても、原稿は届かない。
だが、その作戦「待ち時間分だけ煮込む」はその完了を見ることはなかった。
むりだよ。
原稿来ないもん。
そんな何時間も煮込んでたら、具も全部溶けちゃうよ。
その前に、ちょっと水分飛びすぎて、鍋の中の量が減ってた……。
そんなわけで、適当な所で煮込みミッションを終了したわけだ。
煮込みすぎにビビったんだよ。
チキンだけに。
とりあえず、出来たてを食べながら。
未だ原稿は届かない。