なんだか立て続けにクラウドソーシングの話題になります。

別にこのシステムを目の敵にしてるわけじゃ無いけれど、前記事「そうか……。これがクラウドソーシング」では、ちょっとした事件簿の話しを中心にしてしまいました。

なので、ちゃんとフォローしておこうと思います!
別に、クラウドソーシングが悪いって言ってるわけじゃないんだからね!!



2018-06-11_A

手を出しにくいのは「コンペ形式」の方。

僕はデザイン案件についての事しかわかりませんが、大きく分けて2つの方式があるんですよね。

  1. コンペ形式……例えば「ロゴデザイン募集!採用者には5千円だよ〜!!」っていう形式。
  2. プロジェクト形式……例えば「チラシ作って欲しいです。まずは見積もりください。」っていう形式。

比較的、デザインを仕事にしている人たちが手を出しにくいのは、前者の「コンペ形式」だと思います。

これ、クライアントさんによっては追加修正とかも採択前にどんどん送ってくるんですね。
でも、どんなに頑張って対応しても最後の最後に「社長のハンコもらえませんでした」で不採用。

いや、現実として鶴の一声で不採用なんていうのは、普段の仕事でもある。
結構ある。

あるんですが、その場合って皆さん「じゃあ、ここまでの分は精算できます?」とか、その後のお話しに発展できますよね?

クラウドソーシングのコンペ形式って、先に予算決めてあって、採用者にだけ支払ったりするんですよ。(参加者数人に分割とかっていう事もあるけれど。)

「じゃあ、採用前に修正対応なんかしなきゃいいじゃん!」との声も飛び交いつつ。
それはそう。ごもっとも。

でもね〜。修正対応があったらどんどん対応しましょう!みたいな流れもあったりね〜。

「どうせ出したんだから、採用されて小遣いもらわなきゃ」みたいな気持ちもムクムクと。

それと同時に「修正させるって事は、この案で検討してるってことでしょ?」っていう、思い込みも働きます。
ていうか、普通そう思わない??

ところがどっこい。
コンペ形式は、そんなの全部ひっくり返ります。



それならば、もう一方のプロジェクト形式は?

「じゃあさ」ってんで、もうひとつの方。
「プロジェクト形式」(固定報酬制)はどうだろう?

これはね、仕事としてデザイナーやってる人たちでも比較的手を出しやすいと思う。

要するに「デザインして欲しいから、先に見積もり出してよ〜」っていう、いつものやつだから。

ただこれはコンペ形式とも共通するけれど……。
クラウドソーシングに仕事出してる人は、予算が無い人がほとんど。

ですので、普段の仕事と同じ感覚で見積書を作ると、クラウドソーシング利用のクライアントさんの感覚とはかなりの乖離がね。

それと「普段は広告代理店から」とか「印刷屋さんの営業さんから」なんていう流れで仕事をしている人がやっちゃいがちなんですけどね。

クライアント側にディレクション取れる人いないからね! 見積もりの時に、そこまでよ〜く考えて!!

「予算なさそうだけど、でも自分もちょっと時間空いてるし安く簡単なの作ってやるか〜!」

そんな感じで見積もりして動かすと、実際にはデザインだけじゃ済まないからね。
(でも、フリーランスでやってると普段からディレクションはサービスみたいにやってる人もいる……のかしら?)

いずれにせよ、事前に見積もり出して契約結んでから仕事スタートなので、仕事として手を出しやすいのが、この「プロジェクト形式」(固定報酬制)だと思います。




コンペ形式特有の問題点だよね〜。これ。

どっちの形式でクラウドソーシングを利用するにしても、結局は自己責任なんだけれども。
それを言ったらお終いな気もするのだけれど。

とはいえ、プロジェクト形式(固定報酬制)なら気をつけたいのって「ディレクションまで自分でやるんだって事を忘れないでね!」ていう事くらい。

対してコンペ形式には更に大きな問題があるんじゃないかな?って思ってみたり。
それは「素人さんが募集して、素人さんがチェックして、素人さんが採択する」って事。

これ、直接クライアントさんと打ち合わせしながら進める普段の仕事だと余り無い気がするの。
(そしておそらく、プロジェクト形式みたいな流れでも打ち合わせをしっかりできるなら発生しない問題)

だって、例えばロゴデザインならね。
「そのロゴは、イベント用?それとも企業やブランドで長く使う用?」とか、こっちからクライアントさん側にどんどん踏み込んで提案を詰めていくよね?

なんていうか、ひと言で「ロゴデザイン」って言っても、例えばその利用シーンというか、利用期間?というか、用途によってそのロゴデザインに必要な賞味期限が違うわけじゃないですか?

短期決戦なら派手目なカラフルなロゴが目立つかもしれない。
逆に長く使うブランドロゴなら、よりシンプルで飽きの来ない。そして後々の取り回しのしやすさまで考えてデザインしたい。

でもね、クライアントさん側がその辺りの認識というか知識を持ち合わせていないのは当然なんです。
だって、デザインの仕事をしてる人たちじゃないから。

でも、僕らはその辺りの問題提起が出来る。

そしていつもならクライアントさんとしっかり打ち合わせて、その辺りのレクチャーも出来る。
逆にその打ち合わせの場で、今まで気付いていなかったクライアントさんの思いとかも汲めるかもしれない。

ところが、コンペ形式って打ち合わせが出来ない。
なので専門的なお話しは反映されず、クライアントさんの好みが絶対的な指針になるんだね。




でも!コンペ形式にだって、職業デザイナーさんが参加するアレはある!

「じゃあ、仕事でデザイナーしてる人はコンペ形式参加したらだめだね」
というのもちょっと待って!!

あなたのMACの外付けフォルダの奥深く。
きっとあるはず。

折角生み出してあげたのに、日の目を見ないでいる死蔵デザインの数々が……。

いつもの仕事の中で作られた没デザインとか、それこそクライアントに提案すらしていない、まっさら新品の没デザインですとか。

それ、どうせ死蔵にし続けるなら、ちょっと整え直してコンペ形式の募集に放り投げてみるとかどうだろう!?

そう、クラウドソーシングのコンペ形式は、僕たちのゾンビコンペだ!!
(過去コンペに一度出して「その後の再利用だめよ〜」とか言われてないか、その辺りの用法用量は各々ご確認ください。)

たまにやるけど「外付けフォルダの奥深くですすり泣いていたあの子が、放り投げただけで1万円持って帰ってきた〜!!」とかあるよ。実際。

というわけで、クラウドソーシングは悪くない!
用法用量を守って計画的にご利用してあげればいいんだよ!っていう〆です。

……本気で向き合っちゃうと、大怪我しちゃうかもだけど。

あ、あとね。
デザイン系の学生さんとか、今は趣味だけどデザイン事務所に転職を考えてる人たちには良いかも!

面接に持って行くポートフォリオとか実績作りに使えそうだよね!